ジャニオタが勉強してみた

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ミュージカル封神演義感想3(楊戩のテスト~武吉との出会い)

【楊戩のテスト】
改めて言う。
楊戩の声がイケボ過ぎてめっちゃ楊戩!!
声を聞いただけで「楊戩の声だ!」ってなったし、家に帰って原作を読み返した時に安里君の声で楊戩がしゃべってた。
安里君の番組で「天才イケメン道士の役なのでいい感じの声にした」「楊戩の過去も含めた上で演じた」って言ってくれたらしく、原作ファンとしてはめちゃくちゃありがたい。
しかも、楊戩のテストのシーンは原作でも髪の毛を結わえてて、ミュージカルでも結わえてるんだけど、それが安里君提案と聞いて『安里君推すしかないな』と思った。
あの青い髪の毛をちょいちょい触る仕草があって、これも安里君発議案なのかな。すっごい楊戩っぽい。

ビジュアルはイメージより柔和な感じだったけど、半妖態になった時にどう化けるか楽しみ。

楊戩が変化の術を使うシーンもうまく布を使って隠したりシルエットで見せたりしてわかりやすかったし、楊戩が飛虎に扮したときも、二人が同時にしゃべることで変化していることがしっかり伝わりました。

楊戩の演技について太公望が「おぬしは演技過剰」って言うところが、原作では動画じゃないから演技過剰かわからなかったんだけど、ミュージカルでは明らかに楊戩が変化した妲己ちゃんが演技過剰なのがわかった。
「すーぷーしゃんちゃん」って妲己が言うところで太公望が『…あっ』って違和感に気づくシーンが、ニコ生ではカメラに抜かれてなかったので、DVDではアップになってるといいな。

楊戩のセクシーふくらはぎ攻撃も太公望のセクシーふくらはぎ攻撃も見れてサイコーでしたよ。
太公望が楊戩にセクシーふくらはぎ攻撃を仕掛けるところが回を重ねるごとに絡みが酷くなってくるし。
楊戩の髪の毛にチュッチュチュッチュする太公望が可愛すぎか!
そして太公望の濃いイジリに本気で苦笑いしてる安里君=楊戩も可愛くて微笑ましかった。
哮天犬が居なかったのは寂しいし、哮天犬が四不象をガブリと噛んで『ギャー』ってなるあの緊張感のないギャグ絵の原作シーンがめちゃくちゃ好きだったんだけど仕方ない。

陳桐や王貴人戦が描かれてなかったから、太公望の知略を描くには楊戩のテストは大事なエピソードになっていた。
あと楊戩の歌の中で「仲間を守るためなら自身が傷を負うことをためらわない人」って太公望のことを表現してくれるのも太公望ファンとしてはサイコーによい!!
この言葉が第3のテストと最後の聞仲戦で生きてくるのですよ。

第3のテストもすっごい好きなエピソードで、相手の性格や特徴を把握し、自分がどう動けば相手はどう動くのか。
そのことで民はどうなるのか、っていうのを物事の先の先まで見通せる太公望の魅力が描かれててすっごい好きなの。
楊戩を欺くために、煙草スパスパ吸って四不象にジューってやって極悪非道な悪者の顔する太公望がもう最高すぎない?
「嫌がらせをしてやるぞ、ニョホホホホホ」ってやるようなこのぶっ飛んだ悪役主人公っぷりが原作の魅力だし、それを橋本君が振り切ってやってくれるのが嬉しすぎる。
でもその根底にあるのは『自分が悪役になっても民を救いたい』っていう気持ちで、それがわかるから一層『…太公望、好き』ってなっちゃう。

しかも最後、太公望が民からボコボコに殴られて、楊戩が民に真実を語ろうとするのに、太公望が人差し指を立てて「シィー」って言って内緒にさせるのがもうめちゃくちゃかっこいい。
民を守るためなら自分が悪者になることも厭わないし、それを民に伝えるのすら拒むのよ。
こういうところが太公望の魅力なんだよぉー、めっちゃかっこいいんだよぉぉぉ。

最後楊戩が去る時に「わらわは完璧主義者なんですものっ」っていう時に片足をあげる女子度が高いシルエット楊戩がかわいすぎる。

酒池肉林のはまぐり曲は、フジリューさんが手書きで書いてる歌詞通りなんやね。
妲己ちゃんコール、照れて大きな声が出せなかったのが悔やまれる。

 


【武吉君との出会い】
私、原作では武吉君の存在っていまいちよくわからなかったのよね。そしてそんな大したエピソードじゃないと思ってた。
天然道士とはいえ、仙道じゃないからそこまで強いわけではないし、太公望を慕ってくれるいい子ぐらいにしか思ってなかった。
いい子なのはめちゃくちゃわかるんだけど、そこまで重要なキャラじゃないのかなって勝手に思ってたの。
でもミュージカルを見て、武吉君の存在理由について気付かされました。

太公望は武吉君に出会うまでは『妲己を倒すために仲間を見つけないといけない。でも自分がやっていることでまた犠牲者が出るかもしれない』という迷いと不安があったと思うんです。
だから武吉君の父親が自分のせいで亡くなったっていう話を聞いたときに「わしの不注意が招いた惨事。さぞわしが憎いであろう」って返事したし、後悔している表情を浮かべていた。
でもそこで武吉君が「本当に悪いのは妲己であり、お師匠様は逃げずに一人で立ち向かった偉い人です」って言ってくれたおかげで、太公望の瞳に光が宿って決意に満ちた表情に変わるのね。
武吉君の『平和な世界で生きたいから』という願いと、太公望の『安全な人間界を作る』という信念が交わった瞬間でした。

このやり取りで、太公望は武吉君から優しい言葉を貰ったから、武吉君へ優しさを返したいと思ったんだよね。
しかも太公望は一族を虐殺されて、親から受けた優しさを返すことは出来ないから、それを武吉君に託してるのかもしれない。
そのベースにあるのは「生きてさえいれば」という言葉で、この言葉がミュージカルの重要なワードになってるのかなと思ってます。

また、人間である武吉君が人間界が変わっていく様子を見届ける存在として描かれてて、歌詞に”風”が含まれていることで新しい風が入ってくるイメージも膨らんだ。
武吉君の瞳がまっすぐで、演技はまだ未熟かなと思うシーンもあったけど、それも武吉君らしくてよかったです。

蟇盆のシーンで「私には老いた妻と息子が…」って言いながら殺された男性が武吉の父親だったっていう設定が、物語が繋がってシナリオの作り方が上手いなと思った。

ふくろうシーンは、原作では3コマ鳴いてて、4コマ目で武吉君が気づいてて、ミュージカルでも3周鳴いて、4周目で気づいてた。
そこまで原作を意識して作ってたのかどうかはわからないけど。
原作との違和感を感じたのが、太公望は四不象と喧嘩もするし言い争いもするけど、ちゃんと可愛がってて相棒で大切な仲間だからこそ絶対殴ったり物理的な暴力はしないんだよね。
ふざけて打神鞭で風を起こしてビビらせる程度だから、物理的に四不象を殴ってるシーンを見て、舞台をより面白く笑いを取るためなんだとわかってるけどちょっとモヤモヤした。

太公望が「いつか誰かがくれたぬくもりはいつか返さねばならぬのだ」って歌うところで、座る太公望の手を楊戩が取って立ち上がらせるシーンがあった。
あれは楊戩が太公望にぬくもりを与えてもらったから、楊戩が一人で金鰲島に侵入するその後のストーリーを連想させました。
ここのシーンで舞台上がパッと明るくなるのよ。
そして四不象に乗る時の太公望の表情が、オープニングの時の表情と全然違ってて、武吉君と話したことで太公望が封神計画をやり遂げる決意をしたのが感じ取れたし、未来を感じられる演出になってました。