ジャニオタが勉強してみた

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ミュージカル封神演義感想2(蟇盆~西岐~哪吒戦)

【蟇盆事件】
妲己を倒そうとするシーン。
原作とミュージカルでは内容が変わってました。
原作は、妲己を倒す→妲己が再登場し『さっきのは影武者よん』→慌てて影武者を助けたら『わらわが本物よん』で二転三転する面白さがあるんだけど、ミュでは、妲己を倒す→妲己が再登場し『さっきのは影武者よん』までで終わってた。
ミュでは胡喜媚ちゃんがいないから仕方ないのはわかってるけど、太公望が勘違いして関係ない人を攻撃し瓦礫の下に埋めてしまったことに気づいて、慌ててその人を助け出したにも関わらず、助けたのは本物の妲己だったっていうあの絶望感と、妲己太公望以上の策士ってことが明確にされるエピソードだっただけに残念。
だけどこれはキャストの数と尺の関係上、仕方ない改変だと納得してるし、生き埋めにされた妲己はめっちゃ弱かったから、影武者設定でも違和感なく納得できた。

違和感でいうと、妲己と申公豹の関係に違和感があった。
原作では申公豹は妲己のしもべではなくあくまで客人の立ち位置で、妲己は申公豹の実力に一目置いて恐怖すら感じているのに、ミュージカルではその申公豹に対して妲己が時折バカにするような行動をとっていて疑問に感じるシーンがいくつかあった。
こはちょっと製作者側の原作の読み込みが甘いのかなぁって感じました。

四不象は普段口元は見えないのに、妲己のテンプテーションにかかるシーンでニヤっとした口元が見える角度だったの。
申公豹にやられて倒れた時は、客席から顔を下から見せることで目を開けて白目をむいて気絶している表情に見えたし。
四不象が計算されたフォルムなのと同時に、吉原さんの絶妙な角度が織りなす演技なんだなと思った。

蟇盆のシーンで「毒蛇」という単語が出てくる時、耳で聞くと「ドクジャ」だから初見の人が<毒蛇>って変換できるのかなって心配になった。
ニコ生を見たら、このシーンの橋本君の視線の動かし方がたまらんのよね。
目を見開いてなぜこんなことになってしまったのかっていう混乱から、自分のせいで同族の民が目の前で虐殺されていくのを見た無力感。
原作を読んだときは、もっと悲惨で苦しいイメージを勝手に持ってたんだけど、その後の申公豹から雨の中で打神鞭を受け取るシーンを見て、舞台の表現が正解なんだろうなと思った。
あの無気力な表情の後だからこそ、決意に満ちた表情が生きてきた。
ここは太公望ファン的に大きな見せ場なので、橋本君の演技力に感服です。
妲己の楽しそうな表情との対比でまた虐殺のエグさが際立つんだよなぁ。

申公豹から術を解かれた四不象と打神鞭を返されるシーン。
投げられた打神鞭を受け取ることで、太公望はまだ封神計画を続ける意思が残っていることがわかる大事なシーンなの。
あそこは原作通り利き手の左手で受け取って欲しかったです!
私は太公望が左利き設定なのが大好きだし、太公望が左利きなのに萌えるオタクはかなりの数いると思ってる(笑)
橋本君は右利きで色々大変かもしれないけど、そこは頑張ってほしい。

「仙人になって偉くなれば悪いやつをやっつけることが出来るのか」って太公望が幼少期を回想し、今の時代に戻って「こんなところで諦めている場合ではない」って味方を作りに行く決意をするシーン。
ここ、すんごい瞬きが多い。これは演出だったのか橋本君の心理面からの瞬きが多くなったのか。気になりました。

再び四不象に乗る時の太公望の表情がオープニングと全然違うのが、彼が新しい段階にステップアップしたのを表現していた。


【西岐編】
ここから西岐と繋がっていく太公望が描かれる。
四不象(っていうか吉原君)との絡みが毎回楽しかった。
フジリュー的メタ要素があったし。全編通してちょくちょくメタ要素が入ってて笑わせてもらった。
月曜マチネは偉い人が来ていたから「エラい人」「エロい人」のやり取りがあって、二人が事前に掛け合いの練習をしてた事実を知れてよかった。
初回は太公望が吉原君に思いっきりブチューってキスしてて、太公望は面白さを求めてこういうこと平気でするキャラだと思う。
ただ太公望ヲタとしては初回で『ギャァァァ、太公望師叔の唇がぁぁぁぁぁ!!師叔の唇は桃の味がするんですかぁぁぁぁ???』って心の中で発狂してた。


【哪吒戦】
哪吒の宝具がセグウェイだったのは予想外だったな。
殷氏のキャラクターがいじられ過ぎ…これ、好き嫌い分かれると思う。
私はこんなに改変する必要あるのかなってちょっと受け入れられなかった。
太乙真人さまが「私は鉄の塊です。鉄分多くてすみません。通行の妨げになってになって本当にすみません」ってめちゃくちゃ謝らさせられるのが、見てて可哀想すぎたし、申し訳ない気持ちになっちゃった。

殷氏が太公望と四不象を見た時「ウサギさんとカバさん?」のくだりは日によって違ってた。
初日辺りはポケモンを絡めてて、霊珠のくだりもポケモンボールと絡めてたよ。
太乙真人と殷氏のやり取りは「もういくつ寝るとお正月」「こんにちは赤ちゃん」の曲が日替わりなのかな。

李靖の「非常に非情なんだ」のギャグが聞けたのは嬉しかったし、赤ちゃん哪吒が「ぱおぺい」って言うのとか、殷氏と一緒に水遊びする姿はバブみやばい。

哪吒戦は重要なエピソードだと思ってます。
理由は以下。
戦闘能力の高さだけではなく、宝具同士の相性によって勝敗が決まることを観客に説明できる点。
殷氏を助けることで太公望の頭の回転の良さが目立つのと同時に殷氏を人質に取る主人公ならぬ外道っぷりが見れる点。
めっちゃ強い哪吒が味方になる点。

上2つは王貴人のエピソードがカットされてるから、より重要性を増したと思ってます。

天涯孤独の太公望だからこそ、哪吒の親子喧嘩を取り持って親子の絆を再び繋ぎ直すところがすごくよかったし、太乙さんと哪吒との師弟関係もすごく好きなんだよなぁ。
哪吒が太公望に精神的に追い詰められていくところで、哪吒の精神的未熟さがうまく描かれていたし。
太乙さんが九竜神火罩を稼働させたとき、両肩の宝具がそのままなのはご愛敬ってことで。布をうまく使って捕獲宝具を表現してるなと思った。